壱のドラフト一夜漬け?
2007年6月20日 リミテッド3.アーキタイプの話
前の章までは、「強いカードの取り方について」「色の競合を避けて強いカードを確保するために」という趣旨のお話でした。
今度は、「強いデッキを組む」というお話。
「アーキタイプ」とは、デッキの枠組み・テーマという概念です。
「強いカード」がデッキを作る肉だとしたら、「アーキタイプ」はデッキを支える骨格と言えます。
実際のゲームでの駆け引きを戦術とするならば、アーキタイプはピックからデッキ構築までの戦略の話と考えても良いでしょう。
アーキタイプは、シナジィ(カード同士の相互作用)の繋がりで出来ています。カードを単体で運用するのではなく、それらを組み合わせてシステムを構築することで、カードの強さを100%引き出して闘えるようになります。
例えば、青赤の《トレイリアの歩哨》+《地の底のシャンブラー》が典型で、コモンだけを使ったコンボながら、繰り返し再利用できる全体除去として重宝されています。
このように、どこにでもいるコモンを上手に利用することによって、戦いを有利にする作戦がアーキタイプに基づくドラフトなのです。
5手目以降(人によっては初手からという人もいます)、カードをピックする際には単純な点数だけではなく、システムのキーになるカードは上昇補正をかけてピックするなどの心がけが必要になってきます。
コレばかりは抽象的な話をしても分かり難いと思うので、私が知っている時のらせんドラフトの、有名なアーキタイプとコンボを紹介しておきます。
白
レベリオン
TSP《アムローの求道者》《アムローの偵察兵》
PLC《エイヴンの裂け目追い》《荒廃語り》《ラースのわな師》
FUT《静寂の捕縛》
補助的なアーキタイプです。コレだけではデッキになりませんが、《アムローの求道者》がTSPにおける白の主力なので、白をやっていると自然にデッキに組み込めます。次元の混乱で黒のレベルがいますが、白黒は組み立てが難しいので、あまりオススメしません。
青
無限変異
TSP《トレイリアの歩哨》+《水深の予見者》
PLC《模る寄生》
有名なコンボです。変異クリーチャーを手札に戻すことで効果を延々使い続けます。主なパーツの被っている青赤で多用されます。
青白
飛行デッキ
TSP《遍歴のカゲロウ獣》《城の猛禽》《雲を追うケストレル》《トゲ尾の仔ドレイク》
PLC《エイヴンの裂け目追い》《原初のプラズマ》《霊糸の幻》
FUT《エイヴンの占い師》《コー追われの浸透者》《鞭棘ドレイク》《輝く透光》
青も白も飛行クリーチャーが強い色なので、回避能力が大量に入ったデッキを組むことが出来ます。未来予知で5マナの飛行クリーチャーが充実しているので、次元の混乱までで他のマナ域を埋めるのが理想です。
青黒
マッドネス
TSP《コー追われの物あさり》《ヴェク追われの侵入者》《アーボーグの吸魂魔道士》《トレイリアの歩哨》《夢で忍び寄るもの》+《ゴルゴンの世捨て》《冥界への呼び声》《闇の旋動》
PLC《脳喰らい》《原初のプラズマ》
FUT《墓を掻き回すもの》《滑る胆液》
カードを引いたり捨てたりして大儲けを狙います。どれだけ優秀な共鳴者(カードを捨てる役)をかき集められるかが勝負どころです。
また、クリーチャーが貧弱になりがちなので、壁になるクリーチャーを確保しておく必要があるでしょう。
青赤
除去システム
TSP《大火口のカヴー》or《地の底のシャンブラー》+《トレイリアの歩哨》《夢で忍び寄るもの》or手札に戻す呪文
PLC《模る寄生》
除去を兼ねたクリーチャーを使いまわすことでアドバンテージを得ます。このシステムが揃ってしまうと、手札の要らないカードが全て《大火口のカヴー》などに化けるので非常に危険です。《大火口のカヴー》が手に入ったら、狙ってみる価値はあります。
赤
待機ストーム
TSP《巣穴からの総出》+待機クリーチャー(《遍歴のカゲロウ獣》《ヴィセリッドの深み歩き》《ケルドの矛槍兵》《ダークウッドのベイロス》等)
FUT《にやにや笑いのイグナス》
補助的なコンボです。大量のクリーチャーをばら撒くことが出来ます。未来予知で《にやにや笑いのイグナス》が参入したことにより、より決まりやすくなりました。
黒緑
サリッドシステム
TSP《死胞子のサリッド》《獣群のナール》
FUT《大量の芽吹き》《スポロロスの古茸》
《死胞子のサリッド》で相手の生物を全滅させることも出来るコンボです。《獣群のナール》との相性も良く、緑をドラフトするときの柱の一つです。
赤緑
飛行デッキ
TSP《鉄爪のノスリ乗り》
PLC《巨大埃バチ》《ウークタビー・ドレイク》
FUT《幽霊火》《稲妻の謎》
赤緑の癖に飛行生物を多く擁する不思議なデッキです。地上を緑特有の巨大生物で固め、敵の生物を火力で焼いてしまえば、あとは殴るだけです。
トークンシステム
《版図の踏みつけ》or《数の力》+サリッドシステムor待機ストーム
赤の《巣穴からの総出》、緑のサリッドと、トークンをバラ撒くことにかけては天下一の色なので、文字通り数の暴力で勝つことも可能になり
ます。
大まかにコレだけ知っておくとデッキの引き出しに使えると思います。
流れを見て、その流れで作れそうなデッキのアーキタイプを記憶から引き出すことが出来ると、柔軟なドラフトが出来るでしょう。
では次回。
前の章までは、「強いカードの取り方について」「色の競合を避けて強いカードを確保するために」という趣旨のお話でした。
今度は、「強いデッキを組む」というお話。
「アーキタイプ」とは、デッキの枠組み・テーマという概念です。
「強いカード」がデッキを作る肉だとしたら、「アーキタイプ」はデッキを支える骨格と言えます。
実際のゲームでの駆け引きを戦術とするならば、アーキタイプはピックからデッキ構築までの戦略の話と考えても良いでしょう。
アーキタイプは、シナジィ(カード同士の相互作用)の繋がりで出来ています。カードを単体で運用するのではなく、それらを組み合わせてシステムを構築することで、カードの強さを100%引き出して闘えるようになります。
例えば、青赤の《トレイリアの歩哨》+《地の底のシャンブラー》が典型で、コモンだけを使ったコンボながら、繰り返し再利用できる全体除去として重宝されています。
このように、どこにでもいるコモンを上手に利用することによって、戦いを有利にする作戦がアーキタイプに基づくドラフトなのです。
5手目以降(人によっては初手からという人もいます)、カードをピックする際には単純な点数だけではなく、システムのキーになるカードは上昇補正をかけてピックするなどの心がけが必要になってきます。
コレばかりは抽象的な話をしても分かり難いと思うので、私が知っている時のらせんドラフトの、有名なアーキタイプとコンボを紹介しておきます。
白
レベリオン
TSP《アムローの求道者》《アムローの偵察兵》
PLC《エイヴンの裂け目追い》《荒廃語り》《ラースのわな師》
FUT《静寂の捕縛》
補助的なアーキタイプです。コレだけではデッキになりませんが、《アムローの求道者》がTSPにおける白の主力なので、白をやっていると自然にデッキに組み込めます。次元の混乱で黒のレベルがいますが、白黒は組み立てが難しいので、あまりオススメしません。
青
無限変異
TSP《トレイリアの歩哨》+《水深の予見者》
PLC《模る寄生》
有名なコンボです。変異クリーチャーを手札に戻すことで効果を延々使い続けます。主なパーツの被っている青赤で多用されます。
青白
飛行デッキ
TSP《遍歴のカゲロウ獣》《城の猛禽》《雲を追うケストレル》《トゲ尾の仔ドレイク》
PLC《エイヴンの裂け目追い》《原初のプラズマ》《霊糸の幻》
FUT《エイヴンの占い師》《コー追われの浸透者》《鞭棘ドレイク》《輝く透光》
青も白も飛行クリーチャーが強い色なので、回避能力が大量に入ったデッキを組むことが出来ます。未来予知で5マナの飛行クリーチャーが充実しているので、次元の混乱までで他のマナ域を埋めるのが理想です。
青黒
マッドネス
TSP《コー追われの物あさり》《ヴェク追われの侵入者》《アーボーグの吸魂魔道士》《トレイリアの歩哨》《夢で忍び寄るもの》+《ゴルゴンの世捨て》《冥界への呼び声》《闇の旋動》
PLC《脳喰らい》《原初のプラズマ》
FUT《墓を掻き回すもの》《滑る胆液》
カードを引いたり捨てたりして大儲けを狙います。どれだけ優秀な共鳴者(カードを捨てる役)をかき集められるかが勝負どころです。
また、クリーチャーが貧弱になりがちなので、壁になるクリーチャーを確保しておく必要があるでしょう。
青赤
除去システム
TSP《大火口のカヴー》or《地の底のシャンブラー》+《トレイリアの歩哨》《夢で忍び寄るもの》or手札に戻す呪文
PLC《模る寄生》
除去を兼ねたクリーチャーを使いまわすことでアドバンテージを得ます。このシステムが揃ってしまうと、手札の要らないカードが全て《大火口のカヴー》などに化けるので非常に危険です。《大火口のカヴー》が手に入ったら、狙ってみる価値はあります。
赤
待機ストーム
TSP《巣穴からの総出》+待機クリーチャー(《遍歴のカゲロウ獣》《ヴィセリッドの深み歩き》《ケルドの矛槍兵》《ダークウッドのベイロス》等)
FUT《にやにや笑いのイグナス》
補助的なコンボです。大量のクリーチャーをばら撒くことが出来ます。未来予知で《にやにや笑いのイグナス》が参入したことにより、より決まりやすくなりました。
黒緑
サリッドシステム
TSP《死胞子のサリッド》《獣群のナール》
FUT《大量の芽吹き》《スポロロスの古茸》
《死胞子のサリッド》で相手の生物を全滅させることも出来るコンボです。《獣群のナール》との相性も良く、緑をドラフトするときの柱の一つです。
赤緑
飛行デッキ
TSP《鉄爪のノスリ乗り》
PLC《巨大埃バチ》《ウークタビー・ドレイク》
FUT《幽霊火》《稲妻の謎》
赤緑の癖に飛行生物を多く擁する不思議なデッキです。地上を緑特有の巨大生物で固め、敵の生物を火力で焼いてしまえば、あとは殴るだけです。
トークンシステム
《版図の踏みつけ》or《数の力》+サリッドシステムor待機ストーム
赤の《巣穴からの総出》、緑のサリッドと、トークンをバラ撒くことにかけては天下一の色なので、文字通り数の暴力で勝つことも可能になり
ます。
大まかにコレだけ知っておくとデッキの引き出しに使えると思います。
流れを見て、その流れで作れそうなデッキのアーキタイプを記憶から引き出すことが出来ると、柔軟なドラフトが出来るでしょう。
では次回。
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